
音楽といえばデジタルの形で聴く方が増えていますが、その反面レコードやテープなどのアナログ音楽の形で楽しむという方も最近は出てきています。デジタル音楽を楽しむ場合には、データとそれを再生する機器さえあればよく、手間もかからずに正確な音楽を聴くことができる魅力があります。面倒さもなく、時間などの調整もしやすいですし、保管に場所や手間がかからない点も大きな魅力です。そのため最近は手軽に楽しみやすいデジタルでの音楽を楽しむ方が増えているのです。
しかし、手軽であることで失われてしまっているものもあります。音楽を楽しむために手間や時間をかけ、胸を高鳴らせて音楽に向き合う気持ちです。クリック一つ、タッチ一つで音楽が聴けてしまう最近人気のストリーミングサービスだからこそ、一曲に向き合う時間は少なくなり、音楽が軽いものとなってしまいます。アナログだからこそ、再生するにも手間がかかってしまいます。無駄なことが多いようですが、趣味として楽しむときにその無駄が魅力となることもあるのです。きれいな音が何度でも手軽に再現できることの便利さも魅力ではありますが、手間をかけて聴く音楽には別の魅力があります。このような違いがアナログ音楽にはあるのです。
また、アナログではきれいな音で再現できるとは限らないからこそ、そこに魅力が生まれることもあります。ちょっと乱れた音でも、それが温かみにつながることもあるものです。温かみのある音は懐かしさを感じさせることにもつながります。
また、デジタルで収録されたものは、部分的に音を変えることも可能になるので、少々間違ったところやきれいに聞こえないところはそこだけ修正を施すこともできます。きれいに完ぺきなものを提供することができますが、どこか機械的に、きれいすぎる音になりがちです。その点アナログで収録する場合にはちょっとした修正も難しいことがあるので、少し乱れた部分も出がちになります。息遣いなどもそのまま出てくることがあるので、そういった点に魅力を感じる方もいるようです。どこか乱れた荒っぽい音から懐かしさを強く感じることになります。
それぞれ魅力には違いがありますから、用途に応じてアナログ音楽やデジタル音楽を選んで使い分けることができると、音楽の楽しみ方もより幅を増していくことになるでしょう。軽く聞きたいときにはデジタル、時間のある時にはアナログで楽しむようにすると、より深い音の楽しみ方ができるようになっていきます。