
“音楽のアルバムを買う際、多くの人はミュージシャンや楽曲が好きという理由で手に取るでしょう。一方、カバーに一目惚れをして購入する人がいるのも事実です。むしろマイナーな洋楽などは、ほとんどカバーの印象だけで選ぶという人も珍しくありません。聴覚の娯楽であるのにもかかわらず、実際には視覚的な効果も大いに関係しているということです。ですから、音楽アルバムを制作するときは、カバーのデザインにも注力しなければなりません。もちろんマイナーなアルバムだけでなく、ミリオンセラーになるようなものも大きな影響を受けています。不朽の名盤といわれるようなアルバムは、楽曲だけでなくカバーもとても素晴らしいデザインであることが多いです。いずれにせよ、制作側はカバーの重要性を理解して最高の仕上がりを目指す必要があります。
そもそも音楽のアルバムを自分がデザインする機会はないと思っている人もいるでしょう。ウェブデザインの仕事に携わっているなら、可能性がないとは言い切れません。なぜなら専門に手掛けて人がいる一方で、別のジャンルの人が描いたカバーも決して少なくないからです。しかも、現在はダウンロードやストリーミングで音楽を聴く人が増えています。物理的なアルバムを買うのではなく、電子データとして購入することが多くなりました。アーティスト側もそちらのほうに力を入れている場合がよくあります。先行配信という形で、オンラインでリリースするのはもはや業界の定番です。そこでポイントになるのが、カバーもインターネットの画像という位置づけになることです。つまり、大きな枠組みで考えると、カバーのデザインもウェブデザインの中に含まれます。
たとえば購入のWebページを開いたときに、そのデザインとカバーがアンバランスな配色だと、それだけで魅力が損なわれてしまう場合もあるのです。縮小されて表示されることも多いので、あまり小さな文字や模様にこだわっても、画素が潰れてそもそも見えないこともあるでしょう。言い換えると、どのようなwebページに表示しても見栄えが良くて、購買意欲をかき立てるようなデザインが求められます。これはウェブデザイナーのコンテンツ作成の基本に通ずるものです。そのため、ウェブデザイナーがカバーデザインを依頼されるケースも増えています。初めて手掛ける場合は、依頼者の要望をしっかり聞いたうえで、こまめにサンプルを提供しながら進めましょう。”